より協力的で透明性のある連携に向けて: 非営利のメタデータサプライヤーからリンクリゾルバ・情報システムベンダーへの公開状

私たちは非営利かつ国レベルのナレッジベースとして、電子リソースの管理・発見のためのメタデータを提供することで、高等教育機関及び研究機関を支援しています。

主に以下の2点を共通の特徴としています。

  1. コンテンツプロバイダー及び情報システムベンダー/リンクリゾルバを巻き込んだ、電子リソースの情報流通を支援する活動
  2. 質の高いサービスとユーザー満足度を重視し、図書館がシステムに依存することなく、構築したタイトルリストをオープンかつ無料で利用できるようにしていること

私たちは以下の理由により、ユーザーサービス向上のため、システムベンダー/リンクリゾルバに対して、このメタデータの利用を推奨します。

  • 各国のコミュニティに対応する信頼性の高いメタデータソース
  • 学術図書館コミュニティのニーズに沿ったメタデータの提供
  • 適切なタイミングでのメタデータ修正・更新によるリンク切れの解消と、それによる図書館の経費上・作業上のロスの最小化
  • 予算制約により、機関内のリンクリゾルバのターゲット及びデータベース管理のためのリソースが縮減している学術図書館の電子リソース管理を支援

BACON、ERDB-JP及びKB+のコミュニティ、そしてフランス、スウェーデン、日本及び英国のユーザーに対してよりよいサービスを提供するために、オープンナレッジベースとベンダーとは以下の協力を推進します。

  • すべての利用可能なデータがシステムベンダーのナレッジベースやリンクリゾルバにアップロードされること
  • すべてのリンクターゲットついて、KB+、BACONまたはERDB-JPのいずれかのプリフィックスを明示することで識別可能にすること
  • ERDB-JP、BACONまたはKB+のデータの 登録・更新情報について、ユーザーが以下のアラートを受け取れるようにすること
    1. どのパッケージがアップロードされた/されるか(パブリックなラベルを含む)
    2. アップロードされた/される日付の情報
    3. 各システムに準じたパッケージに含まれるタイトル数
  • KB+、BACON及びERDB-JPは定期的にデータ更新を行い、これらのデータを利用するすべてのナレッジベースに反映させます。私たちは、正確な情報をユーザーに提供するために、以下の情報を必要としています。
    1. 各システムのデータ更新頻度とその手段
    2. データ変更がある場合、その変更が人手によるものか、システムによるものか
  • データ作成を容易にするため、各ベンダーのナレッジベースの技術的な要求事項(URLや日付のフォーマットなど)は、オープンに入手可能かつ可能な限り調整されている必要があります。これらの情報をERDB-JP、KB+及びBACONが入手できれば、ハーベスト前にアップロード時の問題を修正することも考えられます。

これらのデータをメンバー図書館が活用しているかどうかを判断するために、以下の情報を年次でご提供ください。

  • システムに含まれるBACON/KB+/ERDB-JPパッケージの総数
  • 上記をアクティベートした機関の総数(国ごと)
  • システムに含まれるERDB-JP 、KB+及びBACONのパッケージの総数と、出版社など異なるソースから提供される類似のパッケージとの比較
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    BACON (BAse de COnnaissance Nationale)について

    BACON (BAse de COnnaissance Nationale)は、フランスのABES (Bibliographique de l’Enseignement Supérieur)によって2015年から提供されているサービスです。フランスの高等教育機関を対象に利用可能となっている電子リソースのパッケージについて、信頼性のあるKBARTS 2フォーマットでメタデータを作成しています。このメタデータはCC0ライセンスの元に公開されており、BACONのウェブサイトからダウンロードでき、ウェブサービスによって利用可能となっています。KBARTファイルは、ナレッジベースベンダーや図書館などが活用できるようになっています。

    BACONは特にフランスのコンテンツを中心に、フランスの学術出版社と協力してメタデータの向上を行っています。半自動のワークフローによって出版社から送付されたデータを分析、信頼性のあるメタデータソース(SUDOC、ISSNの登録、フランス国立図書館目録)と比較することで、出版社が自社のメタデータのミスや不一致を発見する上で助けとなるような詳細なレポートを提供することが可能となっています。その後、出版社がメタデータの修正を行った場合には、ABESから「品質表示ラベル」が付与されます。しかし、出版社(そして情報流通チェーン上のすべての関係者)にとっての最大の利点は、修正・改善されたメタデータがいかなるメタデータフィード上(ONIX、MARC、ディスカバリツールベンダーに送られたデータなど)でも利用できる点です。

    • Contact : Benjamin Bober, National knowledge base project manager at ABES, bober@abes.fr



    ERDB-JP (Electronic Resources Database-JAPAN) について

    ERDB-JPは2015年に日本語で記述された、または日本で編集・出版された電子リソースを対象としたナレッジベースとしてスタートしました。ERDB-JPは、「これからの学術情報システム構築検討委員会」によって設置された「電子リソースデータ共有作業部会」によって運営されており、日本の47の大学・出版社・ナレッジベースベンダーのパートナーとともに、ERDB-JPのコンテンツメタデータを収集・更新しています。蓄積されたコンテンツメタデータは、日本語用に拡張されたKBARTまたはKBART2フォーマットで、CC0ライセンスとして提供されています。



    KB+ (Knowledge Base Plus)(Bibsam及びJisc Collections)について

    2012年に開始したKB+ (Knowledge Base Plus) は、一元的にメンテナンス・管理されたナレッジベースで、図書館がそれぞれ別々に同じ作業を行うことによる余計な費用や無駄な努力を回避すべく、Jisc CollectionsとBibsamが照合・検証・更新するナレッジベースデータです。KB+は、英国とスウェーデンの国・地域レベルのコンソーシアム契約を含む電子ジャーナル契約に関して、照合済みで正確かつ最新の出版情報を含みます。また、非Jiscパッケージの数も増加中です。これらのデータはすべてオープンライセンスの元に利用可能で、図書館情報流通全体に渡って普及しているため、機関が必要とするデータを必要とする時に入手できるようになっています。

    KB+のデータには、関連するJisc Collections、スコットランド高等教育デジタル図書館(SHEDL: Scottish Higher Education Digital Library) 、Bibsam及びウェールズ高等教育電子図書館(WHEEL: Welsh Higher Education Electronic Library) の各コンソーシアムのデータが含まれます。



    >> Open Letter原文(英語)